デザイン・入稿ガイド

クリアファイルの入稿データ作成完全ガイド
サイズ・カラー・フォント設定まで

クリアファイルの入稿データ作成でつまずいている方へ。アートボードサイズ・塗り足し・カラーモード・フォントのアウトライン化まで、印刷会社が実際に受け取るデータをもとに「よくある失敗」と「正しい手順」をまるごと解説します。この記事を読めば、入稿前の不安がゼロになります。
デザイナーのデスク・クリアファイル

入稿データとは?印刷会社が受け取るファイルの役割

「入稿データ」とは、印刷会社がそのまま印刷機に流せる状態に整えたデータファイルのことです。Word や PowerPoint でつくったデザインをそのまま送っても印刷できない理由は、解像度・カラーモード・フォント情報の3点が印刷基準を満たしていないからです。

クリアファイルの印刷は、透明なPP素材にインクを転写する特殊印刷です。一般的なチラシやパンフレットより素材の伸縮・透け感の影響を受けやすいため、データの精度がそのまま仕上がりに直結します。

サイズの正確な指定
印刷・断裁の基準になる
色の正確な再現
モニター表示とのギャップを埋める
フォント・画像の埋め込み
環境に依存しないデータにする

推奨ソフトとファイル形式

最も推奨するのは Adobe Illustrator(.ai または PDF/X-1a) です。ベクターデータを扱えるため、どんな拡大率でも線がシャープに再現されます。

ソフト ファイル形式 おすすめ度
Adobe Illustrator.ai / .pdf◎ 最も確実
Adobe Photoshop.psd / .pdf○ 写真中心のデザインに
Affinity Designer.pdf△ バージョン確認が必要
Canva.pdf(印刷用)△ CMYKエクスポートに注意
Photoshopを使用する場合は解像度を350dpi以上に設定してください。72dpiのままでは印刷すると粗くなります。

アートボードのサイズ設定と塗り足し

印刷・断裁後の仕上がりサイズ(トリムサイズ)と、塗り足しを加えたデータ作成サイズを正確に理解しておきましょう。

塗り足し・仕上がりサイズ・安全領域の説明図

データには3つのエリアがあります

塗り足しエリア(3mm)

仕上がりサイズの外側3mmまで背景色やデザインを伸ばします。断裁時のズレに対応するためのエリアです。

印刷エリア(仕上がりサイズ)

クリアファイルの仕上がりサイズです。このエリア内にデザイン全体を配置します。

安全エリア(3mm)

仕上がりサイズの内側3mmのエリアです。文字やロゴなど、切れてほしくない要素はこの内側に配置してください。

ポイント:塗り足しがないと断裁後に白い余白が出てしまいます。背景色・写真が端まであるデザインは必ず塗り足しを設定してください。

サイズ 仕上がり(トリム) データ作成サイズ(塗り足し3mm)
A4220 × 310 mm226 × 316 mm
B5182 × 257 mm188 × 263 mm
A5154 × 216 mm160 × 222 mm
A3305 × 430 mm311 × 436 mm
塗り足しとは?

断裁ズレに備えてデザインを仕上がりより3mm外側まで伸ばしておく領域のことです。背景色や写真がデータの端まであるデザインは必ず入れてください。

安全領域(セーフティゾーン)

文字やロゴなど見切れてはいけない要素は、仕上がりサイズの内側3mm以上に配置してください。A4の場合、テキストは214×304mmの範囲内に収めます。

カラーモードは必ずCMYKで

RGBとCMYKの色の違い比較図

図:モニターで見た色(RGB)と印刷後の色(CMYK)の違い

モニターはRGB(赤・緑・青の光)で色を表現しますが、印刷はCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)のインクで色を再現します。RGBのままデータを入稿すると、意図しない色味になることがあります。

RGBの見た目CMYK変換後
鮮やかなオレンジくすんだ茶系に
蛍光っぽいピンク落ち着いたピンクに
明るいグリーン黄緑寄りに
濃いネイビーやや明るい紺に
RGB→CMYKは不可逆変換のため、必ず元のRGBファイルもバックアップとして保存しておきましょう。

フォントのアウトライン化

フォントのアウトライン化イメージ図

図:フォントデータ → アウトライン化(パス変換)のイメージ

アウトライン化とは、文字を図形(パス)に変換する処理です。アウトライン化したデータはフォントを参照しないため、どの環境でも正確に再現されます。

アウトライン化の手順(Illustrator)
  1. すべてのレイヤーのロックを解除する
  2. Ctrl + A(Mac:Cmd + A)で全オブジェクトを選択
  3. メニュー「書式 → アウトラインを作成」を選択
  4. 文字に赤いアンカーポイントが表示されればOK
アウトライン化するとテキストの修正が不可能になります。入稿直前に行い、必ず作業前にバックアップを保存してください。
例:clearfile_v2.ai(作業用)→ clearfile_v2_OL.ai(入稿用)

画像の解像度と埋め込み

印刷物に使用する画像の解像度は最低でも350dpi(ppi)が必要です。

解像度仕上がり
72dpi粗い(Web用)❌
150dpiやや粗い ⚠️
300dpi合格ライン ○
350dpi以上推奨 ◎
画像の埋め込み手順

「ウィンドウ → リンク」パネルを開き、リンク画像を選択 →「埋め込み」をクリック。リンクのままだと印刷会社でデータを開いた際に画像が表示されません。

入稿前チェックリスト

入稿前チェックリストを確認するキャラクターのイラスト

入稿前の
最終チェック!

  • 塗り足し(3mm)
  • CMYKに変換済み
  • フォントのアウトライン化
  • 解像度350dpi以上
  • 画像の埋め込み完了

入稿前に以下の項目を必ず確認しましょう。

サイズ・レイアウト
  • アートボードサイズは仕上がり+塗り足し3mmになっているか
  • 文字・ロゴが安全領域(内側3mm)に収まっているか
  • トンボが正しく設定されているか
カラー
  • カラーモードはCMYKになっているか
  • スウォッチにRGBカラーが残っていないか
  • 黒文字は K100(C0 M0 Y0 K100)になっているか
フォント・画像
  • すべてのフォントがアウトライン化されているか
  • 配置画像がすべて埋め込まれているか
  • 画像解像度は350dpi以上か
ファイル
  • ファイル名に半角英数字を使用しているか(スペース・記号は避ける)
  • 不要なレイヤーやオブジェクトを削除しているか
  • 校正用の赤字・書き込みが残っていないか

よくある質問(FAQ)

Q両面印刷の場合、表と裏でファイルを分けますか?
一般的には表・裏を1ファイルの別レイヤーまたは別アートボードで作成し、1ファイルで入稿します。印刷会社の指定に従ってください。
Qロゴが小さくてアウトライン化すると歪みそうです
アウトライン化による歪みは原則発生しません。ただし、極端に細い線(0.1pt以下)は印刷で消える可能性があります。最低ラインは0.25pt以上を目安にしてください。
Q入稿データをPDFで送っても大丈夫ですか?
PDF/X-1a 形式であれば問題ありません。フォント・画像が埋め込まれ、カラーモードがCMYKになっているかを確認してから保存してください。
Qデザインテンプレートはありますか?
はい、プリントマーケットではIllustratorおよびPDF形式の入稿用テンプレートをご用意しています。テンプレートページからダウンロードしてご利用ください。

まとめ:入稿データ作成の5つのポイント

  1. サイズ:仕上がりサイズ+塗り足し3mmでアートボードを設定
  2. カラーモード:必ずCMYKで作成・変換してから入稿
  3. フォント:アウトライン化して文字化けを防ぐ
  4. 画像:解像度350dpi以上、リンクではなく埋め込みで配置
  5. チェックリスト:入稿前に必ず全項目を確認

入稿データの準備ができたら、こちらからご注文ください

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