クリアファイルの入稿データ作成完全ガイド
サイズ・カラー・フォント設定まで
①入稿データとは?印刷会社が受け取るファイルの役割
「入稿データ」とは、印刷会社がそのまま印刷機に流せる状態に整えたデータファイルのことです。Word や PowerPoint でつくったデザインをそのまま送っても印刷できない理由は、解像度・カラーモード・フォント情報の3点が印刷基準を満たしていないからです。
クリアファイルの印刷は、透明なPP素材にインクを転写する特殊印刷です。一般的なチラシやパンフレットより素材の伸縮・透け感の影響を受けやすいため、データの精度がそのまま仕上がりに直結します。
②推奨ソフトとファイル形式
最も推奨するのは Adobe Illustrator(.ai または PDF/X-1a) です。ベクターデータを扱えるため、どんな拡大率でも線がシャープに再現されます。
| ソフト | ファイル形式 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| Adobe Illustrator | .ai / .pdf | ◎ 最も確実 |
| Adobe Photoshop | .psd / .pdf | ○ 写真中心のデザインに |
| Affinity Designer | △ バージョン確認が必要 | |
| Canva | .pdf(印刷用) | △ CMYKエクスポートに注意 |
③アートボードのサイズ設定と塗り足し
印刷・断裁後の仕上がりサイズ(トリムサイズ)と、塗り足しを加えたデータ作成サイズを正確に理解しておきましょう。
データには3つのエリアがあります
塗り足しエリア(3mm)
仕上がりサイズの外側3mmまで背景色やデザインを伸ばします。断裁時のズレに対応するためのエリアです。
印刷エリア(仕上がりサイズ)
クリアファイルの仕上がりサイズです。このエリア内にデザイン全体を配置します。
安全エリア(3mm)
仕上がりサイズの内側3mmのエリアです。文字やロゴなど、切れてほしくない要素はこの内側に配置してください。
ポイント:塗り足しがないと断裁後に白い余白が出てしまいます。背景色・写真が端まであるデザインは必ず塗り足しを設定してください。
| サイズ | 仕上がり(トリム) | データ作成サイズ(塗り足し3mm) |
|---|---|---|
| A4 | 220 × 310 mm | 226 × 316 mm |
| B5 | 182 × 257 mm | 188 × 263 mm |
| A5 | 154 × 216 mm | 160 × 222 mm |
| A3 | 305 × 430 mm | 311 × 436 mm |
断裁ズレに備えてデザインを仕上がりより3mm外側まで伸ばしておく領域のことです。背景色や写真がデータの端まであるデザインは必ず入れてください。
文字やロゴなど見切れてはいけない要素は、仕上がりサイズの内側3mm以上に配置してください。A4の場合、テキストは214×304mmの範囲内に収めます。
④カラーモードは必ずCMYKで
図:モニターで見た色(RGB)と印刷後の色(CMYK)の違い
モニターはRGB(赤・緑・青の光)で色を表現しますが、印刷はCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)のインクで色を再現します。RGBのままデータを入稿すると、意図しない色味になることがあります。
| RGBの見た目 | CMYK変換後 |
|---|---|
| 鮮やかなオレンジ | くすんだ茶系に |
| 蛍光っぽいピンク | 落ち着いたピンクに |
| 明るいグリーン | 黄緑寄りに |
| 濃いネイビー | やや明るい紺に |
⑤フォントのアウトライン化
図:フォントデータ → アウトライン化(パス変換)のイメージ
アウトライン化とは、文字を図形(パス)に変換する処理です。アウトライン化したデータはフォントを参照しないため、どの環境でも正確に再現されます。
- すべてのレイヤーのロックを解除する
- Ctrl + A(Mac:Cmd + A)で全オブジェクトを選択
- メニュー「書式 → アウトラインを作成」を選択
- 文字に赤いアンカーポイントが表示されればOK
例:
clearfile_v2.ai(作業用)→ clearfile_v2_OL.ai(入稿用)
⑥画像の解像度と埋め込み
印刷物に使用する画像の解像度は最低でも350dpi(ppi)が必要です。
| 解像度 | 仕上がり |
|---|---|
| 72dpi | 粗い(Web用)❌ |
| 150dpi | やや粗い ⚠️ |
| 300dpi | 合格ライン ○ |
| 350dpi以上 | 推奨 ◎ |
「ウィンドウ → リンク」パネルを開き、リンク画像を選択 →「埋め込み」をクリック。リンクのままだと印刷会社でデータを開いた際に画像が表示されません。
⑦入稿前チェックリスト
入稿前の
最終チェック!
- 塗り足し(3mm)
- CMYKに変換済み
- フォントのアウトライン化
- 解像度350dpi以上
- 画像の埋め込み完了
入稿前に以下の項目を必ず確認しましょう。
- アートボードサイズは仕上がり+塗り足し3mmになっているか
- 文字・ロゴが安全領域(内側3mm)に収まっているか
- トンボが正しく設定されているか
- カラーモードはCMYKになっているか
- スウォッチにRGBカラーが残っていないか
- 黒文字は K100(C0 M0 Y0 K100)になっているか
- すべてのフォントがアウトライン化されているか
- 配置画像がすべて埋め込まれているか
- 画像解像度は350dpi以上か
- ファイル名に半角英数字を使用しているか(スペース・記号は避ける)
- 不要なレイヤーやオブジェクトを削除しているか
- 校正用の赤字・書き込みが残っていないか
⑧よくある質問(FAQ)
まとめ:入稿データ作成の5つのポイント
- サイズ:仕上がりサイズ+塗り足し3mmでアートボードを設定
- カラーモード:必ずCMYKで作成・変換してから入稿
- フォント:アウトライン化して文字化けを防ぐ
- 画像:解像度350dpi以上、リンクではなく埋め込みで配置
- チェックリスト:入稿前に必ず全項目を確認